『人間革命』余話
「池田本」に汚染される出版業界 (2月15日号)


 『人間革命』の果たしている役割は「歴史の偽造」にとどまらない。聖教新聞社・創価学会及び“著者”とされる池田大作氏に莫大な収益をもたらすと同時に、出版業界への影響力を保持するための貴重なツールにもなっている。
 金力を背景にメディアジャックを進める創価学会。業界紙「新聞之新聞」一月六日付には、それを象徴するような記事が取り上げられていた。
 「大阪出版界の現状は潤vと題したこの記事は、大阪出版販売懇話会代表・鈴木一郎氏のインタビューを一ページにわたり掲載。鈴木氏は出版業界における学会の影響力を次のように述べている。
 「(02年は)私観的になると思うのですが、あまり良い一年ではなかったように感じます。(中略)ただ私ども(大阪屋)では聖教新聞社から刊行された池田大作氏の『人間革命』(ママ)第11巻がものすごく出たのです。これは書店さんをだいぶ潤したと思います。今回は特に関西のことが書かれていて爆発的に売れたように思います。今までは大型店が中心となって販売していたのですが、今回は街の本屋さんに注文があったようです。これはほかの販売会社でも同じでしょうがね」。
 ちなみに鈴木氏は、大手出版取次会社の大阪屋(本社・大阪市)社長。つまり、出版不況の最中「池田本」は業界の救世主だったと言っているわけだが、それを裏づけるようなシーンも見られている。一月に開かれた大阪屋主催の新年会の席上では鈴木社長自ら『聖教新聞社寄贈』の文字が入った一斗樽酒の鏡割りを行っているのだ。
 「内容はともかく、出版不況の今は部数が見込める“ベストセラー本”は取次にとって、一番ありがたい商品ですからね。大手取次のほとんどは、部長クラスが聖教担当者になっており、社内にも池田本のポスターが貼られています。その一方で、学会側も会員に買う本屋を指定して、地元の本屋を取り込もうとする傾向もあるようです」(出版関係者)。
 一般に書籍の利益率は版元7・取次1・書店2といわれる。利益第一を仕掛ける学会戦略に、日本の出版文化が岐路に立たされている。

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